歯並びのよい子に育てるために!

可愛い孫の歯を守るために!!

歯とのつき合い方によい習慣

お孫さんとはかわいいものです。子どもはお菓子をあげると喜ぶので、おじいちゃん、おばあちゃんとしては、つい甘い物をあげてしまうと思います。
しかしこれには注意が必要です。お孫さんを大切に思うなら、食事の時間やおやつの時間をきちんと決めましょう。アイスクリームや炭酸飲料、ケーキなど、甘くておいしい物をつい与えたくなると思いますが、なるべくそれらを日常的な食べ物にしないこと。「特別な日の嬉しい食べ物」とルールを決めて与えるように工夫してください。
また、自然な食品なら大丈夫と思いがちですが、果物や100%ジュースなども、酸が歯を溶かすので実は大敵です。物を食べたあとには必ずお茶や水を飲ませて、口の中をいつも清潔にしておくなど積極的に身につけるようにしてください。

乳歯の管理は家族とかかりつけ医の二人三脚で

歯は生えて1~2年が特にむし歯になりやすく、4歳頃からむし歯ができ始める子が増えます。予防のために小学校低学年までは、大人が仕上げ磨きを続けてください。ただ、乳歯の場合、たとえ毎日きちんと口の中を見ていても、気づかない奥歯のすきまなどに、案外大きなむし歯ができていることもあるので、半年に一度は定期検診を受けましょう。フッ素を塗布することも有効です。
これを機会に、おばあちゃんはお嫁さんと相談し、お孫さんの歯を長期的に一緒にケアしてくれる、かかりつけ医を決めてはいかがでしょうか。
歯磨き指導などをしっかりしてくれるる歯医者さんなら安心です。

歯並びのよい子に 育てるために!

乳歯から永久歯への生えかわり時期が大切

乳歯と比べて丈夫といわれる永久歯も生えたての時期は酸に対する抵抗力が弱く、むし歯になりやすい状態にあります。生えてきた位置が歯列の内側だったり、外側だったりしていませんか?
歯みがきできちんとプラーク(歯垢)を落し、フッ素塗布やシーラントで歯を強くしましょう。

歯ブラシの当てかたを工夫しましょう。
生えかわりの時期は、生えている途中の歯があったり、乳歯が抜けて隙間ができたり、歯並びがデコボコしていて歯みがきのむずかしい時期です。歯ブラシの当てかたに注意してみがきましょう。
また、お子さん一人では上手にみがけない部分もありますので、点検・確認をかねて仕上げみがきをしましょう。

歯並びのよい子に育てるために!

歯の基礎知識

6歳の臼歯は永久歯です
幼稚園の年長さんが小学校1年生になる頃には、乳歯は下の前歯から生え変わりをはじめます。
ほぼ時を同じくして下の写真の矢印の所あたりに萌出してくる歯が、6 歳臼歯と呼ばれる永久歯です。

この歯は、前歯と違って生え変わらず、突然出てくる永久歯なので、乳歯と間違われやすいのですが、一生使う大事な歯です。
個人差はありますが、乳歯はおおむね3才までに20本の萌出を完了します。

それ以降に出てくる歯は永久歯となります。
※10才くらいにやっと生えてくる小学生もいるので遅くても心配はいりません。

乳歯だから……と、放置していませんか?

お子さんの歯の健康は上手に管理できていますか?
口の中に虫歯を発見しても、どうせ永久歯が生えてくるからと放置したり、治療よりも部活や習い事を優先させたりするほか、ネグレスト(虐待や育児放棄)が疑われる例もあります。
全体的に子供の虫歯が減る中、「口腔格差」が広がっています。

大阪府内の2012 年度の学校歯科健診の結果、歯科を受診した生徒の割合をきいたところ、小学校では検診を受けた生徒の37%が「要受診」と診断されましたが、歯科が学校に処置内容を知らせる受診報告書を学校に提出した生徒はその48%でした。
中学校でも全体の37%が「要受診」と診断されましたが、報告書を提出したのは、うち30%にとどまりました。小中とも学校によって差があり、8~9割が受診する学校もあれば、受診率が1割にも満たない学校もありました。

乳歯でも虫歯を放置すれば永久歯にも影響することがあります。
痛みがなくても虫歯を見つけたらすぐに歯科へ。

歯並びのよい子に 育てるために!vol.5

交叉咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
クロスバイトとも言われます。
上下の奥歯が横にずれている噛み合わせです。

叢生咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
八重歯や乱ぐい歯とも言われます。
歯が一列に並びきらず、デコボコになっている噛み合わせです。

※詳細は、画像をクリックしてPDFファイルをご覧ください。

歯並びのよい子に 育てるために!vol.4

反対咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
※いわゆる「受け口」。噛み合わせたとき、下の前歯が上の前歯より前に出ている噛み合わせです。

過蓋咬合はこうしてなる・こうして防ぐ
上の前歯が下の前歯に深くかぶさっている噛み合わせです。

なりやすいタイプや予防・対策をご紹介します。

歯並びのよい子に 育てるために!vol.3

指しゃぶりを楽しく卒業!

〝あごの形をゆがめるくせ〞を読んで「指しゃぶりなんて早くやめさせなくちゃ!」と焦ってしまった人も少なくないと思いますが、2才頃までの指しゃぶりは生理的なもの。そのままさせておいても問題はありません。3才を過ぎれば乳歯の歯並びに多少の影響がでますが、4才になるまでにやめさせれば永久歯への影響はほとんどありません。

「4才の誕生日までに卒業」が目安です。では、どうすれば指しゃぶりをやめさせることができるのでしょうか?

それは、外で思いっきり体を動かして遊ばせ、ママやパパとのスキンシップを沢山、十分にします。家では沢山の手遊びや家事のお手伝い、寝る時には手をつないで添い寝…ママは大変ですが、3ヶ月間頑張ってみて!きっと楽しい気持ちで卒業できるはず。

歯並びのよい子に 育てるために!vol.2

日頃の姿勢があごの形を決める

「姿勢の悪い子が増えている」というのは、小児歯科医のみならず、多くの人が感じていることでしょう。猫背の子も多いですが、脱力系の姿勢(首がガクッと前に出て、下あごがさがり、口がポカンと開いたような姿勢)の子も増えてきたように思います。これは腹筋や背筋力など体を支える筋肉が育っていないことと無関係ではないと思います。ほかにも、首が左右どちらかに傾いている子も気になりますね。このような姿勢の悪さは、あごの形と非常に深くかかわってきます。

姿勢は真っ直ぐですか?

臨床的な経験からいうと、猫背の子には過蓋咬合の子が多いようです。脱力系の子には上顎前突が多く、首が左右どちらかに傾いた子は咬み合わせがズレている傾向があります。もちろん歯数の問題、生える順番等の問題もあるでしょう。しかしながら、本来正しい咬み合わせとなるべき子供が、生活習慣が悪いために不正咬合を引き起こしているとしたら、後から後悔しても遅いのです。正しい姿勢を保つことは、あごだけでなく、体のすべての骨を正しく育てることにつながります。姿勢を保てるだけの腹筋力や背筋力を育ててほしい、そのためには外で体を動かして遊んでほしいと強く思います。

あごの形をゆがめるくせ

姿勢や口呼吸のほかにも、さまざまなくせがあごの形をゆがめています。猫背、横を向いて食事をする、左右どちらかだけを下にして寝る、えんぴつや爪をかむ、唇をなめる、かむ、吸う…さまざまなくせが、知らず知らずのうちにあごの形をゆがめ、不正咬合の原因をつくっています。なかでも、あごをゆがめるくせのナンバーワンが指しゃぶりです。
上顎前突(出っ歯)、開咬、交叉咬合、叢生などさまざまな不正咬合の原因となります。

なぜ指しゃぶりが歯並びを悪くする?

■指で上あごを前に出す
指しゃぶりでもっとも問題が大きい「親指吸引」の場合、上あごと上の前歯が前に押し続けられます。その結果、あごや歯が前方に突き出る上顎前突になるのです。

■上くちびるがめくれあがる
指しゃぶりをする子は、鼻づまりがなくてもいつも口をぽかんと開ける傾向にあります。その結果口呼吸が習慣化してしまい、上くちびるがしまりなくめくれあがってしまうのです。

■あごがせまくなる
指を吸引しているとあごの側面が常に圧迫されるため、あごの横方向への発達が阻害されます。そのためきれいな馬蹄形にならずV字型のあごになってしまいます。

■上下の前歯にすき間ができる
しゃぶっている指の影響で、上の前歯が前に押し出され、下の前歯が内側に引っ込みます。そのため、歯と歯の間に指の厚さ分のすき間ができ、開咬になってしまいます。

■舌癖が始まる
上下の前歯の間にすき間ができると、食べ物を飲み込む時に前歯の間に舌を押しつけ、はさむくせが出てきます。サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずとなり、発音が不明瞭になります。

■上下の歯がずれる
上あごの横幅が狭くなると、順調に育った下あごとのバランスが悪くなって、上下の歯がうまくかみ合わなくなります。そのため、歯を横にずらしてかむ習慣がつき、咬叉咬合の原因になります。

歯並びのよい子に育てるために!vol.1

子供の体はまるで粘土みたい!

子育て歯科医として子供を診る中で「成長期の子供の体は粘土のよう」だと何度実感させられたことでしょう。弱い力でも、毎日同じところに力がかかると、体はその方向に歪んで育ってしまうのです。

悪い例を挙げてみます

立った時の姿勢が片方に傾いている子供がいます。口の中を見ると多くの場合、歯の正中線(上下の前歯の中心線)がどちらかにずれています。その子の生活の中から原因が見えてきます。
・テレビの方を見ながら食事をしている
・テレビを見る時、本を読む時、頬杖をついて、顔をどちらかに傾ける
・寝る時に必ずどちらか片方の頬を下にする 等
「それだけのことで、あごがずれちゃうの?」と驚くかもしれませんが、毎日365 日分、積み重なると膨大な時間となって体に蓄積されていってしまうのです。

良い例を挙げてみます

姿勢の悪さが原因で咬み合わせに問題が出ているケースでは、原因を取り去って、姿勢を真っ直ぐにする訓練をすると、姿勢の悪さはもちろん、あごのズレも軽減してきます。
まさしく、子供の体は粘土のよう、生活習慣を正しくするだけで、どんどんいい方向に成長します。それは、毎日子供の姿を見ているお母さんにしかできない仕事ではないでしょうか。

かむ力にも影響大!食事中の姿勢

子供の座高にぴったりの椅子とテーブルを使っていますか?
以前に行った調査では、ダイニングテーブルに座って食事をしている子の55%は「足が安定していない(大人用の椅子に座るなどして、足がブラブラしている)」と答えています。実は、足がブラブラしている状態では、咬合力(かむ力)も咬合面積も15%ダウンしていることがわかっています。小さな子にはぜひ、足置きのある子供椅子に座ってもらいたいものです。食事中の姿勢も真っ直ぐになります。
では、正座して食べればいいのか…というと、そうでもありません。座卓で食べている子の場合も半数近くが「足を崩して食べる」と答えていて、正しい姿勢とは程遠い状態。足を崩して食事をすると、体の軸がずれた状態でかむことになるので、あごの発育に悪影響が出るだけでなく、脊椎など、全身がゆがむ原因になるのです。

歯を失うことで体にも影響が!

「80歳で20本歯を残そう」健康は元気な歯から!

何でもかみ、おいしく食べられることは、いつまでも若々しくいるために欠かせない条件です。

しっかり噛んで健康に!

丈夫なあごをつくる
子供の頃から固い物をよく噛んで食べると、あごの骨の発達を促します。口のまわりの筋肉が発達していないと歯並びに悪影響を与え、不健康になりがちです。

脳を活性化
よく噛むことで、脳内の血流が増え、脳神経活動が活発になり、脳の運動系統・感覚系統などが活性化されます。

消化・吸収を促す
よく噛むことで、唾液の中からアミラーゼという消化酵素が分泌され、胃腸の消化・吸収がより促されます。食べ物を充分に噛まないと、胃や腸に負担がかかり、体に悪影響を与えます。

お口の中を快適環境に
よく噛むことで、唾液の分泌が促進され口の中の衛生状態を清潔に保ち、抗菌効果を促します。むし歯・ドライマウス・歯周病の予防効果があります。

肥満を防ぐ
時間をかけてゆっくり噛むことで、満腹中枢が刺激され、食欲を抑える効果や肥満対策に役立ちます。

からだ全体にもいいことが!
「がん予防・アンチエイジング」
よく噛むと、唾液に含まれるペルオキシターゼ酵素が、発がん性物質を抑えます。また、種々の他の酵素が老化防止に役立ちます。

「ストレス軽減効果」
噛むというリズミカルな運動は、楽しい食事とリラックスした時間を提供し、日頃のストレスの軽減につながります。

歯を失うことで体にも影響が!

認知症リスクがアップ
歯の減少が脳の働きに影響し、残存歯が少ない人ほど脳の働きが悪く、噛み合わせや咀嚼の良い人と比べるとアルツハイマーや認知症の発症率は1.5 倍とリスクが高くなります。

顔をゆがめるだけでなく、体もゆがめます
長年、片方の歯ばかりで噛んでいると、使っている方(噛み癖のある方)の歯だけがすり減るので、上下左右の顎のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなります。また、咀嚼筋にも同様のことが起こり、使っていない方の筋肉が衰えてきます。それは顔の表情にも影響し、片方だけにたるみや口角が上がらなくなる、シワやほうれい線もできやすくなる、など顔のゆがみにつながります。さらには、首や肩の痛みやコリ、頭痛などの原因や腰痛や関節痛なども起こします。また、顎関節にも影響し、顎関節症(口が開けにくい、顎の痛み等)になったりすることもあります。

歯を減らさずに免疫力アップや高血圧予防
歯の本数が減ることで、噛む回数が少なくなり、唾液の分泌が低下します。唾液は食物の消化を助けるだけでなく、外から入ってくる様々な菌から口腔内を守るという役割をしています。唾液に含まれる「ラクトフェリン」という成分は鉄分と結合して細菌の繁殖を抑制します。また、最近では歯の数が血圧に影響する可能性があることも分かってきました。
高血圧の主な原因として考えられるのは塩分過多、動脈硬化、ストレス、過労、肥満などです。50 代以上では、おおよそ半数以上の人が高血圧であるというデータもありますが、その原因が歯とも関係あるようです。歯は食べ物を噛むためだけで全身に悪影響を与えることはないだろうと思われがちですが、噛み合わせを矯正したところ、血圧が安定した方がいます。高血圧予防には歯の健康を考えることも必要と言えそうです。

80歳で20本歯を残そう~健康は元気な歯から~


何でもかみ、おいしく食べられることは、いつまでも若々しくいるために欠かせない条件です。

糖尿病、心臓病……。歯周病は万病のもと

歯を失う原因のトップである歯周病は、歯の問題だけにとどまらない病気です。歯周病の炎症によってできた有害物質や歯周病菌そのものが、血液を介して体のすみずみかで広がり、糖尿病、心筋梗塞、狭心病、脳梗塞、骨粗しょう病、免疫機能低下など、さまざまな全身疾患の引き金になるからです。

なかでも糖尿病の人は特に注意が必要です。「歯周病は糖尿病の6番目の合併症」といわれ、糖尿病の人はそうでない人の2倍以上歯周病になりやすく、歯周病になると糖尿病も悪化し、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化するという相互関係にあります。逆に歯周病が改善すると、糖尿病の症状も改善していきます。

心筋梗塞、狭心症といった心臓病、脳梗塞、動脈硬化といった病気のリスクは、歯周病はでない人に比べ2〜3・6倍という研究結果があります。動脈に血栓が発生して血管が詰まる原因のひとつに、歯周病菌に血液中の血小板を固める作用があるからで、心臓の手術をしたとき、歯周病菌がたくさん出てきたという話もあります。歯周病を口の中の病気として軽く考えることは危険です。

歯を失う原因は「虫歯」と「歯周病」

年齢が高くなれば、歯はしぜんに抜けるもの」と誤解していませんか?歯を失う原因の4割を占めるのは歯周病、3割は虫歯によるものです。つまり7割は「虫歯」と「歯周病」によって歯を失ってしまうのです。

虫歯はミュータンス菌などが出す「酸」が原因です。この酸が歯の表面のエナメル質を溶かし、その下にある象牙質や歯髄まで進行します。とはいえ、子どものようにエナメル質が弱ければ虫歯になりやすいのですが、大人になるとエナメル質は硬くなっているため、新たに虫歯になることは多くありません。むしろ、治療で入れた詰め物やかぶせ物のわきから少しずつ進んでいく「二次虫歯」や、年齢とともに歯肉が下がってくるために、歯の根が削られる「根面う蝕」が中心になります。

歯周病は、世界一、患者が多いといわれる病気です。歯と歯肉の境目にある「歯周ポケット」に歯垢(プラーク)や歯石がたまり、そこから出る毒素によって歯肉に炎症が起き、進行が進むと歯根膜、歯槽骨まで破壊されてしまい、歯が抜け落ちる病気です。