デメリットがいっぱい!口呼吸のリスク


ご飯を食べているとき、運動しているとき、寝ているときでさえも、私たちが毎日あたりまえのように続けている呼吸には、「口呼吸」と「鼻呼吸」の二種類があります。口呼吸を長く続けると、むし歯や歯周病になりやすくなったり、歯並びが悪くなったりするほか風邪をひきやすくなるなど、全身にまで悪影響をもたらし、不快な症状につながることもあります。

口呼吸が引き起こすトラブルとは?

歯並びや口の形が悪くなる

歯が正しい位置に並ぶには、唇や舌から一定の力を受けることが必要です。〝口を閉じている〞状態は鼻から下の筋肉(口輪筋・頬
筋・舌筋など)を鍛えています。口が常に開いていると歯が唇から受ける力が弱くなる一方、あごや歯が前に押し出され、出っ歯や受け口といった歯並びや骨格の異常を引き起こします。

いびきや睡眠時無呼吸症候群が起きやすくなる

口呼吸の方は睡眠時も鼻で呼吸できない場合が多く、舌の奥がノドに落ちて気道を塞ぎます。この結果いびきや睡眠時無呼吸症候群になります。酸素吸入量が少ないので睡眠の質も悪化し、日常の疲労が抜けにくくなります。

むし歯や歯周病、口臭の原因になる

だ液には食べかすや細菌を洗い流し、口の中を清潔に保つ働きがあります。しかし、口呼吸になると口が常に乾いてだ液の分泌が追いつかず、食べかすなどが十分に洗い流されず、汚れた場所がむし歯菌や歯周病菌の温床となって、口臭をさらに強くしてしまいます。

風邪やインフルエンザにかかりやすくなる

鼻には鼻腺毛があり、外から入った異物が入るのを防ぎ、空気清浄機のように空気を浄化してくれています。口呼吸を行うと細菌やウイルスがそのまま体内に入ってしまうため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

中年期からの歯の管理「かむ力を維持し、栄養の偏り防ぐ」

80歳で自分の歯を20本以上保つことを目標とする「8020運動」の開始から30年近くたち、達成した人の割合は厚生労働省の推計で昨年初めて5割を超えました。かむ力を維持することは栄養摂取の偏りを防ぎ、歯周病の進行や筋力の低下を招かないために重要です。

歯が少ない人は栄養の摂取量も少なくなる。2004年の国民健康・栄養調査によると、40歳以上で歯が20本以上ある人の平均値を「100%」とすると、歯が20本未満の人は、動物性たんぱく質が88%、亜鉛が92%、ビタミンAが95%など、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類の摂取量が少なかった。一方で、炭水化物は99%と、あまり差がなかった。

国立保健医療科学院の安藤雄一統括研究官は同調査に基づき、食品の摂取量と40歳上の人の歯の数との関連を調べた。歯の数が「28本以上」「20~27本」「10~19本」「1~9本」「0本」の5グループに分けて比べたところ、「28本以上」の肉類摂取量を100%とすると他の4グループは90%前後で、きのこや魚介類の摂取量も少なかった。

鶴見大学歯学部の花田信弘教授は「十分にかめない人は、自分の歯の調子に合わせて軟らかい食物を選んで食べる傾向があり、高カロリーで太っているのに低栄養の状態となる」と指摘する。

新潟大大学院口腔健康科学講座の宮崎秀夫教授が新潟市の70歳の高齢者600人を1998年から08年まで追跡した研究で、
①適正な栄養摂取ができず、血清アルプミン濃度が低かったり、ビタミン、ミネラル類が不足したりしている人は歯周病が進行しやすい
②上下の歯のしっかりしたかみ合わせが悪い人は身体のバランスを保つ力や筋力が低下するリスクが高まる――
ことなどがわかった。

高齢になってもかんで食べられるようにするにはどうすればよいのか。花田教授は40歳以上の人が心がけることとして、
①一口30回かむ習慣をつける
②歯みがきだけでなく歯間ブラシも使う
③かかりつけの歯科医院で定期的に健診を受ける
④歯が減ったら入れ歯などでかむ力を維持する――
を挙げる。

健康ライフに必要な入れ歯「いつまでも 美しい歯を保つために」

1、入れ歯は正しく洗いましょう。

入れ歯は、正しい手入れをしないと、長持ちしないばかりでなく、汚れて独特のいやな臭いがしてきます。さらに口の中が赤くなり、炎症をおこしてきます(義歯性口内炎)。これを防ぐためにまず、毎食後は必ず入れ歯をはずして、主治医の指示を受けた(入れ歯用)ハブラシで洗うようにしましょう。

この場合、歯磨剤はつけないでください。これでゴシゴシ磨くと入れ歯材料のプラスチックがすりへります。水を流しながら、軽く食べかすをはらう程度にしましょう。

2、夜、寝ている間に入れ歯の消毒。

主治医の指示がない限り、寝るときは入れ歯をはずしましょう。はめたままではお口が休まる暇がありません。はずした入れ歯は、入れ歯洗浄剤を溶かした水に一晩浸すことが最良です。一日使った入れ歯には目に見えなくても汚れがついています。その汚れはカンジダという真菌(カビの一種)が主体ですが、これが義歯性口内炎などの原因となるものです。

それで特にカンジダ菌を殺菌・溶菌する酵素の入った入れ歯洗浄剤を使用しましょう。これを溶かした水の中に浸しておくだけで消毒され、入れ歯についた特有の臭いもなくなり、清潔になります。

夜、はずしておくと、翌朝はめたとき少し違和感がありますがすぐに慣れてきます。そこで朝起きてすぐに入れ歯を洗ってはめてください。

お食事までにしっくりと落ち着き、おいしく朝食を頂けます。これを毎日くりかえすことが必要です。

なお、寝ているときに入れ歯をはずすことにより、かえって顎が疲れるときには、一日のうちの数時間は入れ歯をはずし、口の中を安静にしましょう。そのときに入れ歯をきれいにすることです。

3、残っている歯と歯ぐきもていねいにお手入れを…

入れ歯をしていると、歯も汚れやすくなってきます。自分の歯と歯ぐきは毎食後ていねいに磨きましょう。入れ歯と自分の歯を常に清潔に保つことは、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)の予防になり、結果として、入れ歯をより長く気持ちよく使うことができるのです。
あなたの歯のこんなところが汚れますので十分磨いて下さい。

4、入れ歯を守るのはあなた自身です。

入れ歯は、健康を守るために必須のものです。一般的に入れ歯は、高齢者の方というイメージが多いかも知れませんが、そうではありません。手遅れになった歯周病や虫歯等で歯を失ったり、事故で歯を失ったりして必要になる一つの大切な治療法です。

入れ歯は慣れてくると、体の一部のようになってきます。入れ歯の手入れ、点検を怠らないことは、もちろん大切です。また、病気などをすると、口の中にも当然影響が出て入れ歯にも支障をきたします。

何か問題があれば、遠慮せずこまめに歯科医師に相談して下さい。これらのことを心がけて、あなたの入れ歯で、心豊かに健康な毎日を過ごしましょう。

健康ライフに必要な入れ歯・まず入れ歯に慣れましょう

1、入れ歯をはめる前に…
まず、入れ歯をはめる時は、水で一度ぬらしてください。入れ歯のはめはずしは、手指でていねいにしましょう。
慣れると簡単にできますが、最初は鏡を見ながら、はめはずしの練習をしてください。

2、初めての入れ歯は…
いままで口の中になかったものですから、初めは気になってはずしたくなりますが、まず1日我慢して入れてください。
実際問題として、
・唾液が出やすくなる
・歯や歯肉が少ししめつけられるような感じがする。
・話しにくい。
・熱や味覚に対して少し鈍感になる。
・気持が悪くなったり、吐き気をもよおすことがある。
というようなことがおこります。これらは慣れようとする自分の気持と主治医による微調整で解決していきます。

3、大切なのは、練習と慣れです。
例えば、新しい靴を足に合わせて使用しても、靴ズレができるのですから、口の中のやわらかい粘膜の上にかたい入れ歯をはめて、うまくかめるようになるには、トレーニングが必要です。手足を失い義手や義足をトレーニングで使いこなすように、義歯(入れ歯)も同様です。トレーニングを続けるなかで、微調整を繰り返し体の一部の臓器になります。

上手なトレーニング方法

1、食事練習
最初は、やわらかい物や、小さく切った物を奥歯でゆっくりかんでください。入れ歯の前歯でかむと、入れ歯が動いたり、前歯部の粘膜や顎の骨に負担がかかり過ぎることがありますので注意しましょう。奥歯で左、右と両側均等にかむようにしてください。
痛みがあれば、主治医に言って治してもらいましょう。だんだんかたい物、大きな物にうつして行く段階で、主治医とよく相談して、調整を繰り返して、かなり慣れるには1ヶ月、ほとんどのものが食べられるようになるには3ヶ月程の期間を要するでしょう。無理な使い方を避けて、一つ一つ段階を経て練習を続けていくことが大切です。

2、発声練習(アナウンサーになったつもりで!)
入れ歯をしてごく初めのうちは、話しにくく、また自分の声でないような感じがしますが、これはまもなく慣れてきます。まず、発音しにくい「サシスセソ」「タチツテト」などの発声練習をしましょう。また、大きな声を出して、新聞や本などを読むのも早く慣れるための練習の方法です。はっきり言えるようになるまで繰り返し続けてください。さらに、練習中鏡の前で、顔の表情を観察してみるのもいいでしょう。いつのまにか歯が抜けたままのときよりもよい発音ができるようになります。

心豊かに健康な毎日を~義歯(入れ歯)の豆知識

健康ライフに必要な入れ歯(デンチャー)

「入れ歯」というとイメージで、年寄りじみたという気がしないでもありません。
しかし、なくなった歯を補い、入れ歯によって、これからの暮らしを快適にする「健康」のほうがもっと大切です。
入れ歯の正しい使い方や手入れを行い、入れ歯を使いこなして健康な五体で毎日をおくりましょう。

1、楽しい食生活に欠かせません。
歯が抜けたまま放っておくと、食べ物をよくかむことができません。そのため、やわらかい物、小さい物など食べられる物が限られてきます。食卓を囲んでの一家団らんの輪の中に入れないことにもなります。そして、このままでは食欲もなくなり、健康を維持することができません。入れ歯を上手に使いこなすことによって、食べ物がよくかめて、楽しくおいしく食べることができるようになります。そして、多くの人達とグルメを通じての楽しみの輪が広がります。

2、若々しさを保ちます。
歯が抜けたままで放っておくと、口元に張りがなくなってしわができ、だんだん不自然な老けた顔つきになります。入れ歯によって、容貌が回復し、自信を持って明るい社会生活を送ることができるようになるのです。すぐれた技術と材料で作られた入れ歯は、以前と変わらない容貌を復活させ、生活にハリを与えます。

3、明るい会話がはずみます。
特に前歯は、1本でも抜けると、その間から空気がもれて、うまくしゃべることができなくなります。
歯が抜けたままのときに、もどかしく思われた会話も入れ歯によってスムーズにできるようになります。会話は、食生活と同じくらい、私たちの生活、特に、お付き合いには欠かせないものですから、入れ歯の果たす役割は、大変重要です。

4、残っている歯と歯ぐきを守ります。
歯は全部そろっていてこそ、その役割を十分に果たすものです。それが1本でも欠けたままにしていると、残りの歯に負担がかかり、健康な歯まで早くダメになってしまいます。
また、歯が傾いたり、かみ合っていた相手の歯が、のびたりして全体のかみ合わせが狂ってきます。
さらに、口が開きにくくなったり、顎の関節が痛くなったりすることもあります。残っている歯と顎や口全体を健康に保つためにも、入れ歯は重要なものです。

よく噛むことは よく生きること


「噛むこと」なんて、呼吸するのと同じくらいに当たり前で、改めて考えたことがない人もいますよね。でも、私たちは口から食べ物を取り入れて、それが消化・吸収されて、はじめて血や肉になるのです。よく噛むと、よいことがたくさんあります。

肥満を防ぐ

よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。よく噛まずに食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎて、その結果太ります。よく噛むことはダイエットの基本です。

歯の病気を防ぐ

よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。この唾液の働きが、虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、細菌感染を防いだりして、虫歯や歯周病を防ぎます。

味覚の発達

よく噛むと、食べ物本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。できるだけ薄味にし、よく噛んで、食材そのものの持ち味を味わいましょう。

ガン予防

唾液に含まれる酵素には、発ガン物質の発ガン作用を消す働きがあるといわれ、それには食物を30秒以上唾液に浸すのが、効果的なのだそうです。

胃腸の働きを促進する

よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、食べ物がきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となります。偏食なく、なんでも食べることが、生活習慣病予防にはいちばんです。

体力向上と全力投球

「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力をいれて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません。上の歯14本と下の歯14本が、きちんと揃い、噛み合っていることが大切です。

言葉の発音がはっきり

歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます。よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります。

脳の発達

よく噛む運動は、脳細胞の働きを活性化します。あごを開いたり、閉じたりすることで、脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです。子供の知育を助け、高齢者はボケ防止に役立ちます。

健康で天寿を得る為に「50代からの正しい6つのセルフケア」

これまでは、歯が悪くなったら歯科医院を受診する、という考え方が一般的でした。まずは、この意識を変えることが第一歩です。

50代は、どこが悪いから行うのではなく、10年、20年先を見据えたケアを考えるべきです。特に、しっかり対策したいのは〝歯周病〞40~50代での発症が多く、知らぬ間に進行している人が多いのが特徴です。

健康で美しい歯と口を維持するには、セルフケア、最適な治療、が大切です。セルフケアでは菌を増やさない、免疫力を上げておく、噛む力を鍛えるなどがポイントになります。

若々しい口元や美しい姿勢は、正しい噛み合わせや呼吸から作られます。次に、笑顔で免疫力アップ。口角をきちんと上げて笑顔を作ると、頬、唇など口元のあらゆる筋肉を使います。噛む力、歯を支える筋肉を作る上でも笑顔は重要です。最後に、明るく美しい言葉を話すことは、心も楽しく若返らせます。

50代は口元再学習期。6つの効果がある方法をご紹介しましょう。

※詳しくは画像をクリックしてご覧ください。

口臭予防から口腔ケア「50歳からの正しい 「歯」とのつきあい方」

50代は、さまざまな体の変化に向き合う時期。口の中も例外ではなく、歯周病の進行や噛み合わせのズレ、それによる顔や姿勢のゆがみなど、口から始まる病気や不具合が多発する世代です。

いつからか人前で思い切り笑えなくなった、なんだか歯が汚れているような気がする、口臭が気になる、歯の黄ばみや痩せた歯茎をどうにかしたい……。

こんな口元の悩みも年齢のせいだったりします。だからこそ、今が口の中を見直す絶好のチャンスでもあるのです。10年後にさまざまな不調で後悔しないために。

肌だけじゃない、口元が老化を加速させる!?

待ったなし!50代、こんな変化が始まっています!

口は内臓の入り口。でも、多くの人は、口と体を別に考えています。歯は、食生活や運動機能、コミュニケーションと生活のあらゆる場面に関わります。歯に自信がないと笑顔にもなれません。噛み合わせが悪いと顔や姿勢にも歪みが出ます。健康はもちろん、表情の若々しさなど、口元にはその人の生き方が出るのです。

女性は閉経後、唾液分泌が低下し口腔内環境が急激に悪化します。体の変わり目である今こそ、口のアンチエイジングに取り組めば、健康は大きく変えることができます。そのためには、50代ならではの傾向を知り、すぐに対処することが大切です。

歯を失うことで体にも影響が!

「80歳で20本歯を残そう」健康は元気な歯から!

何でもかみ、おいしく食べられることは、いつまでも若々しくいるために欠かせない条件です。

しっかり噛んで健康に!

丈夫なあごをつくる
子供の頃から固い物をよく噛んで食べると、あごの骨の発達を促します。口のまわりの筋肉が発達していないと歯並びに悪影響を与え、不健康になりがちです。

脳を活性化
よく噛むことで、脳内の血流が増え、脳神経活動が活発になり、脳の運動系統・感覚系統などが活性化されます。

消化・吸収を促す
よく噛むことで、唾液の中からアミラーゼという消化酵素が分泌され、胃腸の消化・吸収がより促されます。食べ物を充分に噛まないと、胃や腸に負担がかかり、体に悪影響を与えます。

お口の中を快適環境に
よく噛むことで、唾液の分泌が促進され口の中の衛生状態を清潔に保ち、抗菌効果を促します。むし歯・ドライマウス・歯周病の予防効果があります。

肥満を防ぐ
時間をかけてゆっくり噛むことで、満腹中枢が刺激され、食欲を抑える効果や肥満対策に役立ちます。

からだ全体にもいいことが!
「がん予防・アンチエイジング」
よく噛むと、唾液に含まれるペルオキシターゼ酵素が、発がん性物質を抑えます。また、種々の他の酵素が老化防止に役立ちます。

「ストレス軽減効果」
噛むというリズミカルな運動は、楽しい食事とリラックスした時間を提供し、日頃のストレスの軽減につながります。

歯を失うことで体にも影響が!

認知症リスクがアップ
歯の減少が脳の働きに影響し、残存歯が少ない人ほど脳の働きが悪く、噛み合わせや咀嚼の良い人と比べるとアルツハイマーや認知症の発症率は1.5 倍とリスクが高くなります。

顔をゆがめるだけでなく、体もゆがめます
長年、片方の歯ばかりで噛んでいると、使っている方(噛み癖のある方)の歯だけがすり減るので、上下左右の顎のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなります。また、咀嚼筋にも同様のことが起こり、使っていない方の筋肉が衰えてきます。それは顔の表情にも影響し、片方だけにたるみや口角が上がらなくなる、シワやほうれい線もできやすくなる、など顔のゆがみにつながります。さらには、首や肩の痛みやコリ、頭痛などの原因や腰痛や関節痛なども起こします。また、顎関節にも影響し、顎関節症(口が開けにくい、顎の痛み等)になったりすることもあります。

歯を減らさずに免疫力アップや高血圧予防
歯の本数が減ることで、噛む回数が少なくなり、唾液の分泌が低下します。唾液は食物の消化を助けるだけでなく、外から入ってくる様々な菌から口腔内を守るという役割をしています。唾液に含まれる「ラクトフェリン」という成分は鉄分と結合して細菌の繁殖を抑制します。また、最近では歯の数が血圧に影響する可能性があることも分かってきました。
高血圧の主な原因として考えられるのは塩分過多、動脈硬化、ストレス、過労、肥満などです。50 代以上では、おおよそ半数以上の人が高血圧であるというデータもありますが、その原因が歯とも関係あるようです。歯は食べ物を噛むためだけで全身に悪影響を与えることはないだろうと思われがちですが、噛み合わせを矯正したところ、血圧が安定した方がいます。高血圧予防には歯の健康を考えることも必要と言えそうです。

脳機能 かむことで回復-旭医大などマウスで実証-

柔らかいものを食べ続けると脳の機能が低下するが、硬いものを食べればその機能は徐々に回復することを、旭川医科大などの研究班がマウスの嗅覚の実験で実証した。

よくかむ必要がある固形飼料だけを与え続けた「固形マウス」と、かむ必要がない粉末飼料だけを与え続けた「粉末マウス」の脳の内部や行動などを比較した。

実験開始から1カ月後、固形マウスの脳室下層や嗅球には新たに作られた神経細胞が多く見られたが、粉末マウスでは少なくて神経をつくる能力が低かった。においに対する脳の興奮度をみると、粉末マウスは固形マウスより小さく、鈍かった。嫌なにおいがする通路を避けるかどうかの実験では、固形マウスは避けたが、粉末マウスは避けることなく、におい自体を感じないとみられる行動を示した。

ところがその後、粉末マウスのえさを変えて、固形飼料だけを3カ月間食べさせると、脳で作られる神経細胞が徐々に増えた。においに対する脳の興奮度は回復し、嫌なにおいを避ける行動を見せるようになった。

柏柳誠教授(感覚生理学)は「咀嚼が嗅覚に影響することが明らかになった」と、松田光悦教授(歯科口腔外科学)は「自分の歯でかむことが、脳機能を含めた健康に重要なことを示す結果だ」とそれぞれ話す。

いい歯の人ほど認知症にならず、長生きできる
「歯が悪くなっても病気ではないし、治療すれば何とかなる」と安易に考えていませんか?ところが近年の研究では、歯がいい人ほど認知症になる確率が低く、長生きであるというデータが出ているのです。

福岡県の80 歳の男女を対象にした研究では、ものをかむ「咀嚼」能力の低い人が、寝たきりや要介護状態になるリスクは、よくかめる(咀嚼能力の高い)人のなんと7.5倍、死亡リスクも2倍という驚くべき結果が出ています。歯が抜けたり、きちんと合った義歯を入れず、かむことに不自由する人は、やわらかいもの(炭水化物)中心の偏った食生活になり、たんぱく質やビタミン、ミネラル類が不足することが指摘されています。

また、かむ能力は、運動能力や脳の血流とも深く関係しています。加えて、歯がない人は表情や会話が乏しくなりがちで、心理的にも自信や意欲を失いやすいといわれています。

このように、歯の健康は認知症や長寿と深くかかわっています。今からでも歯をきちんとケアして「80歳で20本以上の歯を残す」ことを目標にしましょう。