子どもの歯周病

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10~14歳の子どもの半数に出血や歯石の沈着などの歯肉炎の症状がみられ、5~9歳の子どもにも4割弱の歯周炎が見受けられるという、平成17年の歯科疾患実態調査のデータがあります。子どもの歯周炎は歯周病に進行してしまう予備軍です。

「歯周病は大人がかかる疾患で、子どもは関係ない」と思われがちですが、小中学生の約2人に1人が歯肉炎であり、4人に1人の割合で歯石の沈着がみられる―というデータです。「歯石」は、バイ菌が睡液中の成分のカルシウム等と合体して石灰化したもの。つまり、バイ菌のかたまりです。生えてきたばかりの子どもの歯は、表面のエナメル質が未成熟で弱いためムシ歯にもなりやすいのです。子どもの歯は唾液中のカルシウムを取り込み、徐々にかたくなっていきます。

子どもが歯周炎やむし歯になる原因の多くは、不十分な歯みがきです。

また、ダラダラおやつを食べたりする生活習慣も原因となります。

噛む、噛む! よくかむことの 上手な子どもに育てます。

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お母さんのおっぱいを飲む時、人間はかむことを初めて体験します。口のまわりの咬筋(かむ時に使う筋肉)を使つて乳首を噛んで母乳を飲んでいます。赤ちゃんの生存本能にひき出されるこの噛む運動、やがて生える歯の並ぶアゴを発達させます。

神奈川歯科大の斎藤先生の研究による要約を、子育て歯科の倉治先生は「人のアゴが成長できるのは、骨を作る細胞=造骨細胞が伸び縮み運動をしてアミノ酸などの栄養をとリ込み、造骨細胞を作る遺伝子を増やしていく。この伸び縮み運動こそ、噛むことである。」とまとめておられます。つまリ、かまない子どものアゴは育たず、よくかむ子どものアゴはすくすく元気に発育します。その為にはよく噛むことを覚える「乳房保育」が最適であリ、少なくとも乳歯の歯並びのほぼ決まる一歳くらいまでは母乳を飲ませます。

やがて離乳食に移行し、一歳七ヵ月~二歳七ヵ月の離乳食も終わりに近づき大人と同じ物を食べるようになるこの頃、お母さんが噛み砕いた物を決して食べさせない事が肝要です。大人の口の中にいたバイ菌も移動し、ムシ歯菌ミュータンス・レンサ球菌が乳歯に住み着いてしまいます。

一年の計は元旦に…。 「噛む」の計は赤ちゃん期に!

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現代人の「噛む能力」は、昔の人に比べて食べ物を噛まなくなったため衰えつつあります。

食の変化が身体の発育に影響している生活習慣病ともいえ、健康な身体そのものを作る第一歩の噛む能力は、生命の源を担う大前提の問題です。「噛む能力」は生まれつき備わっているのではないからです。

授乳期にお母さんのおっぱいから力いっぱいお乳を吸いとリ、飲みくだす赤ちゃんの一生懸命な口の運動で、永久歯まできれいに並ぶことのできる顎の骨格が発達します。同時に咀噛筋の発育が促され、お母さんの乳首にすいつきながら「噛む能力」を学習します。(おっぱいの出にくいお母さんは、噛むタイプの哺乳ビンを選択しましょう。)また、お母さんは、授乳が終わったら、口腔内をぬるま湯で湿らせたガーゼで優しく拭掃してあげる習慣で、食べたら磨くムシ歯予防の生活習慣の基礎を学習させましょう。「噛む」を育てる第一歩です。

よく噛むことは よく噛める お口を作ります。

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あごの骨は高校生くらいまで成長し続けます。よく噛んであごの骨や筋肉をしっかリ動かし鍛え十分に発達させることがポイントです。三歳で生え揃った乳歯は、五・六歳ごろから永久歯に生えかわっていきます。六~十二歳ごろは、乳歯と永久歯が混合している時期、十五歳で永久歯の歯列が完成します。

よく噛み、よく食べる子供はあごがバランス良く発達し、大きな永久歯の並ぶスペースがきちんとできます。小きい時から噛み応えのある物を左右の奥歯で良く噛んでいると、均整のとれた顔立ちになります。歯並びよく生え揃った永久歯列で、体も心も健康に育ちます。

軟らかい物に偏った物ばかリ食べていると、噛む回数、筋肉の運動量は極端に減少し、唾液の量が減ってお口の自浄力・殺菌力が弱くなるため虫歯になりやすい環境になります。大入の歯科疾患と思われている歯周病の初期段階の歯肉炎にもなります。

軟らかい食事だから噛まなくても大丈夫と思われがちですが、そうではありません。

歯並びが悪いと、よく噛めなくなります。

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歯は正面から中切歯・側切歯、犬歯(前歯)、第一、第二小臼歯・第一、第二大臼歯(奥歯)の順に並んでいます。その後ろに第三大臼歯(親しらず)が生える人もいます。この中切歯から第二大臼歯までの歯並びは、左右、上下対称形で、中切歯を中心にアーチ型に一列に並びます。咬み合わせは、上の前歯が下の前歯に少しさぶさるように出ておリ、臼歯部(四本の奥歯)は歯車の歯が咬み合うように上下ピッタリ合います。そして、前歯から臼歯が上下咬み合った時の咬み合わせ面は水平になっています。

食べ物は、包丁の役割を担う前歯で噛み取リ、噛み砕きすりつぶす役割を担う臼歯部で咀曙します。この時、顔の全筋肉が総動員連係プレーで口や顎、舌を動かし、噛むカを歯におくります。しっかりよく噛むことは唾液を出すだけではなく、胃液の分泌を盛んにします。良く噛んでいる時に、胃ではタンパク質を分解する消化液を出し、口の中の食べ物が届く準備をしています。ところが歯並びが悪いと、上下の歯の間に隙間ができて、歯の一部しか接触せず、よく噛めずにいつまでもモグモグしているか、まるのみ状態になってしまいます。口の機能の発育と身心の健康を損なうことになります。

噛めば噛むほど子どもは伸びる

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噛めば噛むほど子どもは伸び、キリッ!とした顔立ちになリ可愛さが倍増します。

口もとの表情筋(口輪筋)、咬筋、側頭筋等が発育促進して、発達し、咀しゃくカがつくと、手先が器用になリ集中力、判断力、考えるカがつきます。噛みしめることができない子どもの心にはストレスが生じ、落ち着くべき時等にも言うことを聞かない、物を投げる、カンシャクをおこす。

又、歯茎が弱リ唾液(消化酵素・食べ物を柔らかくして胃で分解消化しやすくする)が出づらく少ない為、便秘や下痢をしやすい等々の不調がおきやすくなります。歯並びも悪くなリ、むし歯や歯肉炎にもなりやすい状態です。

「噛めない」ことは様々な悪循環となります。しっかリ噛む子どもに育てる歯育が大切です。食事が終わった赤ちゃんのお口の手入れは、お母さんの責任です。授乳後、大きめの綿棒かガーゼにぬるま湯を滲みこませ、お口(歯ぐき+唇や頬の内側)を何回かそっと拭い、歯が萌出してきたら柔らかい歯ブラシで同様にします。

『気持ちがいいネエ~♪』と優しく語リかけ、食べたらお口の清掃をする生活習慣をつくることがとても大切です。

「よく噛める」噛むカは、乳児から幼児の時代に形づくられます。

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私達は出生後、教えられずともお母きんのおっぱいに吸いつき、のみ込み、やがてもぐもぐ噛み出して乳歯が萌出し出すと、口の周リの筋肉、舌の筋肉、頬の筋肉が発達する時がきます。噛み切ったリ、うがいやはき出しができるようになリ、噛みつぶし、噛みくだき、すりつぶせるようになる3才を過ぎると、乳歯20本がはえ揃って歯列が完成します。4才頃には、しっかリ噛みしめることができるようになります。言葉も話し言葉となって、発音の幼児性を脱却してきます。そして舌運動が完成し、咀しゃくも完成してきます。口笛が吹けたリ、舌うちができる6才前後には「六歳臼歯」と呼ばれる、第一大臼歯(永久歯)が乳歯Eの奥に生えてきます。

前歯で噛み切った食べ物を砕き、すりつぶし噛みしめる奥歯です。しっかリ噛むことは、脳を活性化し集中力も高めます。

離乳食から始まる食生活で幼児期にしっかリ噛める、噛む力を養ってあげましょう。

「食」を楽しむ原体験

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健康を損なう生活習慣の一つに「よく噛まずに食べる」ことがあげられます。健康は小さなことの積み重ねで守られます。よく噛むことの始まりは、生後10ヵ月~15ヵ月頃の「食べ方」にあります。子供が自然に行う「手づかみ食べ」は、食べることに関わる発育を発達させるための大切な「過程」です。はえ出した上下の前歯で噛み取ること、また、奥の臼歯がはえ並ぶ歯肉で、食べ物の硬さに応じて噛みつぶし、咀瑠すること等を学習します。唇の捕食力が育ち、ヨダレが止まってくるのもこの頃です。

子供が自然に行う「手づかみ食べ」は、食べる際の認識機構を十分に発達させ、口腔の動かし方を学習する大切な場となリ、「食」を楽しむ原体験になります。

危険のないよう見守リ、子供のすきなような食べ方をさせることで「食べ物」への関心も育てます。

口から手へ、手から口へといった行動によリ物への認識機構が発達し、三歳をすぎる頃には、食べ物の温度や硬さを目で認識できるようにもなってきます。