ロ腔ケアで元気な体をつくろう

2012_02_01

介護保険制度は、2006年4月から「予防」に重点を置いたものに一部改正されています。「運動機能の向上」「栄養改善」「口腔機能(食べる機能)の向上」という3つの柱で、なるべく介護を必要とせず、自宅で自立した生活を送り続けられることを目標に、「できるようにするための支援」を、要介護と要介護1の方を介護予防対象者と位置づけて展開されています。体を動かすためにはエネルギーが必要であり、そのエネルギー源である栄養を摂るためには健康な口が必要です。

人の一生の生活を支える基本が口腔であり、その健康の度合い(品質)が即、生活の質QOL(クオリティーオブライフ)にかかわるのです。人間は皆、老人になりますが、その時、どんな口を持っているかが大切なのです。口の中を見てみましょう。「食べる」「呼吸をする」「話をする」など口の果たす役割はとても重要なため、その老化は他の機能に比べて緩やかであるといわれますが、やがて10年後20年後の自分の体に大きく影響します。

子どもの歯周病

2012_01_01

10~14歳の子どもの半数に出血や歯石の沈着などの歯肉炎の症状がみられ、5~9歳の子どもにも4割弱の歯周炎が見受けられるという、平成17年の歯科疾患実態調査のデータがあります。子どもの歯周炎は歯周病に進行してしまう予備軍です。

「歯周病は大人がかかる疾患で、子どもは関係ない」と思われがちですが、小中学生の約2人に1人が歯肉炎であり、4人に1人の割合で歯石の沈着がみられる―というデータです。「歯石」は、バイ菌が睡液中の成分のカルシウム等と合体して石灰化したもの。つまり、バイ菌のかたまりです。生えてきたばかりの子どもの歯は、表面のエナメル質が未成熟で弱いためムシ歯にもなりやすいのです。子どもの歯は唾液中のカルシウムを取り込み、徐々にかたくなっていきます。

子どもが歯周炎やむし歯になる原因の多くは、不十分な歯みがきです。

また、ダラダラおやつを食べたりする生活習慣も原因となります。

忍び寄る歯周病。あなたは大丈夫?

2011_12_02

歯は痛くないと健康、痛い時もあったけど治った―と、何となく思っていませんか?

「予防」は、現在のおロを調べる健康診断で現状を把握することから、初めて成果が出てきます。少しでも若い頃から、健康なきちんと噛めるお口をキープし続けることが肝要です。全身の健康につながる歯の健康は、80歳で20本の歯が守られていると、快適な生活を手中にできる確立が高いからです。

気が付かないうちに進行する歯周病。初期症状としての歯周炎から、重度の歯周病まで進行させないためにも、定期的に歯科医院での指導とチェックを受けましょう。歯を失う原因を早期治療で対処することが、双方にとって治療の負担が軽く、社会の医療費削減に貢献することにもなります。

<その2>歯周病は沈黙の病気

2011_11_02

痛みもなく、進行していることに気づきにくいため沈黙の病気といわれ、年齢とともに重症化していきます。歯周病セルフチェックをしてみましょう。合計で5点~25点の方は軽度~中等度の可能性。30点以上の方は進行した歯周病の疑いが濃度です。

歯周病の人は、心筋梗塞などの心臓血管症患を発症するリスクが高いことや、歯周病関連細菌が気道などに入りこみ、肺炎をひきおこすこともあります。歯周病にかかった歯ぐきや歯を支える骨等の組織から分泌される成分が、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを妨げ、糖尿病を悪化させることも明らかになっています。

体の入口であるおロの中の清潔さを保つことが健康への道しるべです。

歯周病セルフチェック表

●歯肉はピンク色で引き締まっている………0点
●歯肉が赤色や紫色になっている……………5点
●歯肉がむずがゆく、歯が浮く感じがする…5点
●歯磨きすると血がでる………………………5点
●起床時にロの中がネバネバする………… 10点
●歯肉が赤く腫れブヨブヨしている……… 10点
●何もしないのに歯肉から血が出る……… 15点
●歯がぐらついて物が噛めない…………… 15点
●冷たい水がしみる………………………… 15点
(軽度歯周病:歯肉炎、中等度以上歯周病:歯周炎)

<その1>歯周病の治療とは?

2011_10_02

歯周病は歯と歯ぐきのスキ間にたまった歯垢とその中にいる細菌がひき起こす病気です。初期の歯周病は自覚症状がほとんどなく治療を受けずに放置すれば、自然治癒はなく病変が進行していきます。病原菌の出す毒素が歯ぐきの炎症をおこし、さらに歯を支えている骨を溶かしていきます。
歯ぐきが下がり、歯ぐきに守られていた歯根が露出してきます。まず、歯ぐきと歯のスキ間の深さを計測する歯周病検査を行います。1ミリ~2ミリが健康の範囲、2ミリ以上から重症は6ミリ以上へと深くなっています。

次に骨のなくなり具合による歯のグラつき(動揺)を調べます。だ液の成分のカルシウムと合体し石灰化した歯垢が「歯石」。この歯石の付着程度も判明します。この検査に基づき、全歯を6ブロックに分けて、歯の生え際に付着した歯石を取り除き(プロケアー)と同時に正しいブラッシング法(セルフケアー)で回復を図ります。一ヵ月後にもう一度歯周病検査をして、歯ぐきの炎症や出血、深さの変化を調べます。4ミリ以上あるところは2段階目の歯石、歯根部に付着した歯石を取り除かなければ進行を止めることはできません。

歯周病になるとどうなるの?

2011_09_02

1.歯ぐきがはれた!
2.歯ぐきや粘膜が痛い!
3.かむと歯が痛い!
4.歯が揺れてきた!
5.ロがネバつくし臭いがする!
6.歯に食べ物がはさまる!

口腔や咽喉には歯周病菌をはじめ300種以上、数百億個以上の細菌がいます。お口の中に潜む細菌は、気管や血管・リンパ管を通って全身に影響を及ぼすことが明らかになっています。肺炎・動脈硬化などの血管系の病気・心臓の病気・糖尿病・低体重児出産の原因などさまざまな病気に関係しています。

歯がしみる! ぴりっとくる! 知覚過敏症②

2011_08_02

ハブラシをあてた瞬間、または冷たい物、甘い物、時に歯に当る風などで歯がしみたりぴりっとする不快な症状に見舞われます。外来刺激に対して歯髄(神経)の知覚が亢進する現象で、この症状を象牙質知覚過敏症と呼びます。

歯のはえぎわ(歯頸部)付近が、ムシ歯やハブラシのカの入れ過ぎ、又かみあわせの不具合等で磨耗あるいは咬耗しているタイプを歯頸部知覚過敏。歯周病のため、歯を支える骨(歯槽骨)が溶解し歯茎が下り(歯肉退縮)本来歯茎の中にある根面が露出したタイプを根面部知覚過敏といいます。外的刺激が象牙質を構成する細管(象牙質細管)を通って歯髄を刺激するためおきる知覚症状です。治療法としては、この象牙質細管の開口部を物理的又は科学的に閉鎖しようとするものです。実質的に歯の表面のエナメル質がウ蝕や磨耗で欠損していれば、欠損部を整形後充填して補います(物理的治療)。又むき出しになった根面部を薬で数回塗布(科学的治療)し改善させます。

歯がしみる! ぴりっとくる! 知覚過敏症①

2011_07_02

食事の前に、歯みがき剤をつけないでハブラシを水でゆすぎながらブラッシングをしてみましょう。舌の表面も力を入れず4~5回程ハブラシでなでて口をすすいでおきます。口の中をさっぱりさせて食事を摂ると、食べ物の味・歯ざわり・歯ごたえなと鮮明に感じられて美味しさ感がアップします。食べ物は口の中で咀曙されるうちに、唾液の成分とよく混じり合い一層うまみを増します。家族や友人と談笑しながらの食事は心身を幸せにします。

食後、口の中はプラークが急増し酸性度がアップします。硬いはずの歯の表面エナメル質がプラークの出す酸で柔らかくなり溶かされ始めます。「脱灰」という現象です。再び唾液の成分が働きエナメル質を修復し硬くする「再石灰化」をすすめてくれますが、ここで正しくブラッシングをしてやるとある程度のプラークが取り除かれ、歯と歯茎・舌の血行が良くなり、ムシ歯菌や歯周病菌の繁殖が抑えられます。バイ菌と戦う白血球は血液にのって患部に届くのです。歯周病菌は、血液の流れを悪くする毒を排出し、酸素を嫌う性質で、歯と歯ぐきの隙間や歯の間のブラッシングもれのプラークを餌に、猛スピードで歯茎の奥へもぐり込んでいきます。適切なブラッシングが何よりの「治療」となる、セルフケアーです。

正しいブラッシングをしましょう②

2011_06_01

舌の先で、歯の表(頬・唇側)と裏(舌側)の歯ぐきをぐるっとなめてみましょう。陶器をなめたような感触でツルツルしていたら60%はOKです。又、ヌルヌルザラザラしていたら危険です。バイ菌(プラーク)が何十億個と増殖し歯や歯ぐきを蝕みつつあります。なるべくきれいに、このバイ菌を取り除くことが正しいブラッシングです。(自分ができるセルフ・ケアー)

歯ブラシは普通の硬さの長方形型で、毛束の先が平らに切り揃えてある平面タイプを選びます(大人も子供も大きすぎない物を)。

ブラッシングの3つの基本があります。

①軽い力で、毛束の面全体で、磨くというよりふき取るイメージで行います。カを入れて押しつけるとエナメル質が傷つきすり減ります。歯ぐきも萎縮して下がってきます。柔らかい部分の象牙質が露出し、ムシ歯や歯周病が進行しやすくなり、冷たい物・甘い物がしみてきたりします。

②ブラッシングの順序を決めましょう。上下左右、前歯を中心に7本づつ4ブロックにわけます。奥歯の頬側から前歯へと進み、又前歯の舌側から奥歯へ。そして噛み合わせ面を奥歯から前歯へと戻ります。1/4終わったらすすぎます。残りも1/4づつくり返します。

③歯と歯の間の凹に歯ブラシの長い一辺を当てて斜め上下に動かし、歯を1本づつ磨きます。

やってみましょう。横にゴシゴシは禁物です。一日の汚れを就寝前に丁寧に是非。

正しいブラッシングをしましょう①

2011_05_01

食事をした後の口の中では、咀嚼後の食べ物とダ液が混じり合った「バイ菌」が増殖します。このバイ菌とは、ネバネバした「プラーク」と呼ばれるものです。歯の周りにうすい膜状にまとわりつくプラーク1㎎の中には、約1億個、約300種類がうごめきます。

この中の「ムシ歯菌」は酸を出し、歯の表面のエナメル質を溶かし健康な歯をムシ歯にかえて、歯冠の奥へ中へと進行し、やがて歯冠の中心部の歯髄(神経とよばれる)にまで達します。(激痛に悩まされます)又、空気を嫌う「歯周病菌」は、歯のはえ際の歯ぐきの淵から歯を支える骨の間へと深く侵入し増殖し毒素を出し続けます。(歯ぐきは熟したトマト色でポッテリと丸みを帯び、膿や出血・口臭がありますが自覚しづらい)食後の歯みがきとうがいで、プラークをとり除き洗い流すことがとても大切ですが、ここで重要なのが「正しいブラッシング」を行えているか?という事なのです。