口腔の老化と唾液

会津の歯医者 渡辺ゆうぞう歯科クリニックの「お口の相談室」

201605

口をぽかんとあけて、口で呼吸をしている若い人も増えています。

歯磨きの大切さは良く言われますが、口の中の環境を守るために非常に大事なものは「唾液」です。普段は気にもしない唾液ですが、なくなると口の中がカラカラになって、話す事も食べる事もできません。舌は荒れ、虫歯は進行し、歯周病や口臭も悪化します。

唾液は1日に平均1~1.5リットルも出ます。99.5%が水分で、ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、タンパク質、ビタミン、ホルモンなど、さまざまな成分が含まれています。

唾液を出す一番の刺激は良くかむ事。老化で唾液の量が減るため、ゆっくりと良くかむ事が大事になります。かむ刺激で口の中に唾液があふれ、唾液中のアミラーゼがでんぷんを消化し、かむほどに食物と唾液との接触が増えて、消化も良くなり歯茎も鍛えられて脳への刺激にもなります。

さらに、唾液の役割には味物質を溶かして味覚を生じさせる溶解作用、食べ物のカスを洗い流す洗浄作用、ラクトフェリン、リゾチームなどにより細菌の増加を抑える抗菌作用、重炭酸塩やリン酸塩により酸を中和する緩衝作用、歯の表面に皮膜をつくり虫歯を防ぐ保護作用、嚥下や発音を円滑にする潤滑作用や粘膜の保護作用などがあります。

唾液にはサラサラ唾液とネバネバ唾液があり、リラックスしている時には自律神経の副交感神経が働き、唾液は活発に分泌されてのどや食道を潤し、サラサラと自然に胃の中に流れます。逆に体にストレスがかかると、のどをなかなか流れていかないネバネバ唾液になってしまいます。サラサラ唾液を多くするには良くかむ事が大事で、唾液線のマッサージや自律神経を調整するウォーキング、ジョギング、水泳、呼吸法なども効果があります。

口の健康を守る唾液ケア

唾液は、主に耳下腺、顎下腺、舌下腺の3ヵ所から出ていますが、加齢とともに顎下腺からの分泌量が減少します。

舌を回したり、唾液腺の付近を外からマッサージすることによって、唾液腺が刺激されて、唾液が出やすくなります。口が乾いていると感じたら、ぜひ実行してください。

―次号へつづく―

免疫力を上げて病気を治す 口の体操「あいうべ」

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201604

最近、口の中の汚れや炎症が、肺炎や心筋梗塞、認知症など、全身の病気に影響していることがわかってきました。

口で呼吸すると、口の中の水分が空気中に蒸発し、乾燥します。唾液による殺菌・消毒作業が発揮されず、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭などが起こりやすくなります。

口や舌の筋肉が衰えると口呼吸になります。口を閉じた状態で舌がどこにあるか確かめてみてください。正しい舌の位置は、上あごに舌がべったりくっついている状態です。舌がこの位置にあると、口は自然に閉じ、安静時は鼻呼吸ができるようになっています。

口呼吸の問題は、乾燥による細菌の繁殖だけではありません。

空気中には、ホコリや細菌、ウイルス、花粉など、さまざまな異物や病原菌が混じっています。たとえそれらを吸い込んだとしても、鼻で呼吸をしていれば、鼻粘膜の表面に生えている鼻毛や、鼻粘膜から分泌される粘液がからめ取ってくれます。

鼻から吸い込んだ空気は、鼻の中を通ることで、温かく湿った状態で肺へと送られるしくみになっています。いわば、鼻は「加湿機能つきの空気清浄機」です。

口呼吸の場合は冷たく乾燥した空気をいきなり吸い込むことになり、のどや気管を痛めるおそれがあるでしょう。異物や病原菌の混じった空気を直接吸い込むことで、ウイルスが体内に入り込むと、カゼやインフルエンザにかかりやすくなります。

鼻呼吸にすれば、肺炎の予防にもつながります。なかでも、高齢者や入院患者の死亡に結びつくといわれる誤嚥性肺炎は、食物を食堂にスムーズに送り込む嚥下反射や、異物が気道に入るのを防ぐ咳反射の機能が低下し、食物や異物、細菌などが気道に入って起こる肺炎です。この誤嚥性肺炎も、舌の筋力の衰えが大きく影響しているので、鼻呼吸ができるようにすることで予防できます。

鼻呼吸の場合、口のように一気に空気を吸い込めないので、しっかり吸おうと、横隔膜を使って深くゆっくりと呼吸することになります。その結果、酸素の取り込み量は、鼻呼吸のほうが多くなるのです。

鼻呼吸をすると、鼻粘膜から一酸化窒素(NO)が出ることもわかっています。NOは、血管や気管支を広げる作用があります。全身に血液と酸素をしっかり行き渡らせます。

■ 口呼吸を鼻呼吸に変えるために、口の体操「あいうべ」をしましょう。

「あいうべ」を行うと、舌や口の周囲の筋肉が鍛えられ、口呼吸をしなくなります。すると、口の中が潤い、自律神経のバランスが整います。その結果、免疫力が上がって、病気の改善・予防につながるのです。実際、さまざまな病気や症状が、「あいうべ」で改善しています。

「あいうべ」は、いつ、どこでやってもかまいませんが、特にお勧めは入浴時です。温かい浴室なら、「あいうべ」で口を大きく開けても、冷えたり乾燥したりする心配がありません。

「あ」「い」「う」という口の動きは、口輪筋や表情筋を鍛えるのに役立ち、唇をとがらせて前に突き出す「う」の動きは、口を閉じる力をつけるのに有効です。そして、「べー」と舌を出すことで舌筋が鍛えられます。舌を正しい位置に引き上げるために、舌筋を鍛えることは最も重要といえます。

「入れ歯の手入れ」入れ歯を長持ちさせ口の健康を守るために

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201603

■ 着脱時に無理な力がかからないように

入れ歯をつけるときは、部分入れ歯は、無理な力を加えず、指できちんと装着してください。歯でかんで、はめこむと、変形や破損の原因になります。

総入れ歯は、水でぬらしてからつけましょう。違和感が少なくなります。

入れ歯を外すときは、部分入れ歯は、土台の歯に指をあて、無理な力がかからないように外しましょう。

総入れ歯は、吸着効果で歯肉に密着しているので、まず、入れ歯の前歯部分を粘膜側に押し、奥歯の方を粘膜から浮かせるように空気を入れて、吸着効果を失わせると、外しやすくなります。取り出しにくいと感じたときは、口の周りの筋肉をマッサージします。

なお、総入れ歯は、前歯部分に圧が集中しやすい構造をしています。「前歯部分で食べ物をかみ切る」と、外れてしまうこともありますから、注意してください。

■ 入れ歯は外して3ステップで洗う

入れ歯は食器と同じです。食事の後は、必ず外して清掃します。入れ歯をつけたまま、歯磨きをしても汚れを取り去ることはできません。汚れやすく、使っているうちに、歯垢に似たデンチャープラーク(細菌や汚れのかたまり)がこびりつきます。食べかすを洗い流すだけでなく、デンチャープラークを取り除くことが大切です。

ブラシ洗浄

清掃中に、落として破損することがありますから、洗面器などに水を張り、その上で歯ブラシを使って流水の下で洗いましょう。石けんや食器洗い用の中性洗剤、義歯用歯磨き剤などを使い、流水ですすぎます。

一般の歯磨き剤は、研磨剤が入っているので、入れ歯を傷つける恐れがありますので、使わないでください。

熱湯につけるのは厳禁です。入れ歯の床部分が変形して使えなくなります。

つけおき洗い

デンチャープラークは、ブラシ洗浄だけでは落とせないので、食後のブラシ洗浄に加えて、つけおきタイプの入れ歯洗浄剤を併用してください。つけおき洗浄は、就寝中などに行いましょう。

「ブラシ洗い→入れ歯洗浄剤につけおく→ブラシ洗い」の3ステップを実行すると効果的です。

入れ歯洗浄剤にはいろいろな種類がありますので、担当医と相談して、使っている入れ歯に合うものを選んでください。

■ 気をつけたい「カンジダ菌」

口の中には、非常に多くの細菌が生息しています。そのほとんどは、無害ですが、床のある入れ歯を使い始めると、細菌群の構成が変わり、真菌の一種であるカンジダ菌が増殖することが知られています。

カンジダ菌は、カンジダ菌が原因で起きる口内炎(口腔カンジダ症)の原因になるだけでなく、むし歯との関係も報告されています。入れ歯が合わないと思っていたら、口腔カンジダ症だったというケースもあります。カンジダ菌に効果がある専用の洗浄剤(ピカ)がありますので、気になる方は、担当医に相談してください。

■ 寝るときは外して、水の中で保管

就寝時、入れ歯は外して、前述したように入れ歯洗浄剤を使って保管してください。入れ歯のプラスチック部分が乾燥すると変形の原因になります。

審美的な理由や残っている歯の保護などのため、入れ歯を外さないという方は意外と多いのですが、一日数時間は外して粘膜の安静に努めてください。

■ 非常時も考慮して置き場所を決める

間違って捨てたり、捨てられたりすることのないよう、入れ歯を外したら、乾燥しないように専用の入れ物で保管してください。

日本赤十字社は、災害時に「眼鏡、入れ歯、補聴器、杖」などの日常補装具を持ち出しやすくしておく工夫をすすめています。「入れ歯がなくて、配られたパンが食べられなかった」などの声もあります。入れ歯は、人から借りて使うことができません。非常時に持ち出せるよう、外した入れ歯は、置き場所を決めて保管しましょう。

口腔粘膜ケア「入れ歯を支える粘膜を健康に保つ」口腔がんを予防する効果も

会津の歯医者 渡辺ゆうぞう歯科クリニックの「お口の相談室」

201602

入れ歯は口腔粘膜の支えがあってはじめて機能する

通常、咀嚼時に歯にかかる力は、歯根膜が受け止めて歯槽骨に伝え、体全体に分散させています。入れ歯(有床義歯)は、この力を、歯がなくなった部分の口腔粘膜と歯槽骨に肩代わりさせています。

口腔粘膜は、口唇、舌、歯肉(歯茎)、頬、口腔底(舌の下側の部分)の5ヵ所(図表1)に分類されます。薄く脆弱に見えますが、表面部分の細胞の重なりは皮膚の表皮より厚い、軟らかく丈夫な組織です。なかでも、歯肉粘膜は強靭で、時には体重に匹敵するかみ合わせの力に耐えて、歯根膜の代替機能を果たします。

入れ歯を快適に使うためには、それを支える口腔粘膜を健康に保つことが大切です。皮膚と同様に、加齢によって口腔粘膜も委縮し、弾力を失います。また、唾液の分泌も少なくなり、免疫機能も低下するため、粘膜は傷つきやすく、傷が治りにくくなっています。そういう状態の粘膜に、かみ合わせの力を負担させるわけですから、ぜひ口腔粘膜ケアにも気を配ってください。

口腔粘膜ケアのポイント

❶使い始める前に十分な咬合調整を
入れ歯を装着して、痛みがなく、効率よくかめる状態にもっていくことを、咬合調整といいます。咬合調整が十分でないと、かみ合わせの力が偏ってしまい、粘膜が圧迫されます。圧迫によって、血液の循環が滞ると、粘膜細胞が壊れて、皮膚の「床ずれ」と同じ傷ができます。粘膜の傷は、痛いだけでなく、後述する長引く炎症(口腔粘膜炎)のきっかけになることもあります。入れ歯は、歯科医師による十分な咬合調整を受けてから使用してください。

❷合わない入れ歯を使い続けない
歯根膜が受けるかみ合わせの力(力学的負荷)により、骨リモデリング(吸収と形成)がおこり、骨量が保たれるので、歯があるときは、顎の骨の形はあまり変わりません。
歯を失い、骨に力学的負荷が十分かからなくなり、また入れ歯による部分的な圧力が加わると、顎の骨の形は毎日少しずつ変化します。

加齢に伴って体はどんどん変化し、顎の骨と共に口腔粘膜の形と性質も変化しますので、使っているうちに、入れ歯は必ず合わなくなるものです。
合わなくなった入れ歯を無理して使い続けると口腔粘膜に傷を作ることになりますので、早め早めに調整を受けましょう。

❸歯磨きで粘膜炎予防
食事の後、そのまま放置すると、入れ歯や口の中で細菌が繁殖し、口腔粘膜炎(口腔炎など)を起こすことになります。粘膜炎になると、痛いため、バランスをこわすようなかみ方をするようになり、さらに粘膜炎を作る悪循環に陥りかねません。
食後の歯磨きには、ブラシで歯肉粘膜を刺激して血液循環をよくする効果もあります。
粘膜炎は口と入れ歯を清潔にして安静にしていれば、自浄作用で治癒します。

❹就寝中は入れ歯を外す
口腔粘膜を休ませ、血流を回復させるために。

入れ歯と口腔がんとの関係

口腔がんは、かみタバコなど、刺激物を長い間口に入れる習慣がある南アジアや中東などで多発しています。これらの状況から、口腔がんは、食習慣を中心とした生活習慣と劣悪な口腔衛星状態を背景に発症すると推測されています。日本では患者数は少ないのですが、増加傾向にあり、最近では年間約7000人が死亡しています。発症の中心は高齢期のため、今後増える恐れがあります。特に、入れ歯をお使いの方に注意していただきたいがんです。

口腔がん予防のポイント

どんながんも、前がん病変(まだがんではない段階の病態)から徐々に進行して、完全ながんに発育していきます。

口腔がんの前がん病変の代表的なものは「白板症」です。口腔粘膜が部分的に白くなる病気で、将来がんになる可能性がありますし、その一部にすでにがんが生じている可能性もある病変です(口内炎とは違って、白板症まで進行すると痛みがない)。

白板症以外にも、さまざまな前がん病変がありますが、それらに共通するのは「持続する炎症症状(痛かったり赤くなるなど)」や「治りにくい傷」です。
がん治療の原則は、早期発見・早期治療。口腔がんを早期に治療した場合の治癒率は、格段によくなることが知られています。症状が長期間続くときは、医師または歯科医師の診断を受けてください。

口腔がん予防のポイントは、喫煙と過度の飲酒を避けることと、粘膜の炎症を防ぐこと。
口腔ケアの4つのポイントが、口腔がんの予防にもなります。

お口の中が健康な人ほど病気になりにくく、長生きできます

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201601

健康寿命は口腔から

お口の中の健康は、単にものを食べるといった働きを越えて、全身の健康状態や寿命に大きな影響を及ぼしているという確信が、歯科医のあいだで広まりつつあります。

口の中が健康な人、すなわち自分の歯が残っているか、ちゃんと歯の治療をしていて、食べ物をしっかり噛める人は、寝たきりや要介護、認知症などになりにくく、費やす医療費も安くすむことがさまざまな研究から示されています。

歯周病や虫歯の原因菌と、糖尿病や心筋梗塞などほかの疾患との関連も明らかになっています。いつまでも元気で長生きという〝健康寿命〞を延ばすには、口の中の健康を保つことがとても重要なのです。

また、よく噛んで食べると満腹感を得やすく、ダイエット効果があることは一般に知られていますが、しっかり噛むことは骨や肌のアンチエイヂングにも役立つと考えられます。噛む刺激が歯やあごの骨芽細胞(骨形成を行う細胞)に伝わると、健康寿命は口腔からカルシウムやリンなど骨の材料が増え、骨が強くなると同時に、噛む刺激によって線維芽細胞(真皮の成分を作り出す細胞)が活性化され、顔全体の肌や粘膜のコラーゲンが増すことがわかってきました。口の中が健康でしっかり噛んでいれば、見た目や全身の若々しさもいつまでもキープできます。

毎日の習慣が10年後の噛む力を守ります!

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201512

歯磨きは一カ所20 回以上!更年期以降、油断は禁物。自分の歯は自分で守るしかありません。
毎日の習慣が10年後の噛む力を守ります!

歯と口の健康を守るのは予防メンテナンス

歯や歯茎の状態は悪くなってから気づく人が多いのですが、それでは遅い。だからこそ予防ケアが大事なのです。

自分の口の中がどうなっているのか、きちんと把握したうえで、正しいセルフケアを行い、ヘアサロンに通う感覚でプロケアを受けましょう。

問診後、歯の色、潤い、噛み合わせ、唾液など、口中の状態を測定し、カウンセリング後、プロフェッショナルク歯と口の健康を守るのは予防メンテナンスリーニングとセルフケア処方を実施。予防ケアをサポートします。現在の状況だけでなく、これからの10年、20年にわたって、歯をどのようにメンテナンスしたらよいかを考えます。

40〜50代は中程度〜重度の歯周炎が増加する年代。歯に物が挟まりやすい、口臭がある、出血や腫れ、ねばつきなども、歯周病の症状だったりします。まず、自分の口中の状態を知ることから始めましょう。そのうえで、歯磨きの方法やツールの選び方などを理解し、正しい毎日のセルフケアを続けることで、歯と歯茎の状態の改善を目指します。

セルフケアの基本である歯磨きは、1カ所20回以上を目安に、丁寧に磨きます。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスか歯間ブラシの使い方を正しく理解し、自分に合ったツールを選び続けます。

セルフチェックのみでは、気づかないうちに症状が進んでしまうことも多いのが口中のトラブル。少なくとも年に2〜3回は歯科検診を受けるようにしましょう。

治療から予防へ!虫歯は感染症 -丈夫な口でいる-

会津の歯医者 渡辺ゆうぞう歯科クリニックの「お口の相談室」

201511

失った歯は、二度ともとに戻らない。だからこそ予防に力を入れて。

歯は体のほかの器官と違って、一度ある程度のムシ歯や歯周病にかかってしまうと、自然治癒するということはありません。ましてや、削ったり抜いたりした歯は二度ともとに戻らないもの。

予防は、家での歯みがきや食生活に気をつけるとともに、ムシ歯や歯周病の初期は、自覚症状が少なく、自分ではわかりにくいもの。発見が早ければ、治療も簡単に済みます。
ムシ歯になりやすいなどの口の中のリスクは人によって違います。

虫歯は感染症

ウイルスや細菌、寄生虫などの微生物が体内に侵入して、臓器や組織の中で増殖することを「感染」といい、その結果生じる病気を感染症といいます。

SARSやエイズなどのように人から人へ伝染する病気のことを伝染性感染症、膀胱炎や破傷風などのように伝染しないものを非伝染性感染症といいます。

虫歯は、〝だえき〞を介して伝染する感染症なのです。

赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいません。赤ちゃんには歯がないから当たり前だと思うかもしれませんが、虫歯の原因となるミュータンスレンサ球菌が本当にまったくいません。

1994年にスウェーデンで、お母さんの歯をきれいにすることによって、赤ちゃんの虫歯菌の感染を減らすという試みが行われ、その結果お母さんの歯をきれいにするだけで、赤ちゃんの歯を虫歯から守ることができました。このことから、お母さんが感染源であったと考えられるのです。

赤ちゃんが離乳食を食べ始めた時期に、自分の唇にスプーンをあてて食べものの温度を調べたりしませんでしたか?

食べやすい大きさにするために自分の口の中で噛み切ってから赤ちゃんにあげたりしませんでしたか? 赤ちゃんの手が食べもので汚れたとき、舐めてきれいにしてあげたことはありませんか?

何気なくしていたことから、赤ちゃんに虫歯菌をうつしていたというわけです。お母さんだけではありません。お父さんやおばあちゃん、家族のほかに保育者などの大人の口から感染して、子どもの歯に虫歯菌が棲みつくようになるのです。

恋人同志でも同じことがいえます。

虫歯のみならず歯周病も同様です。定期的に歯科へ行くことは、生涯の健康寿命を延ばすことになるというデータも昨今出ています。

丈夫な口でいることは自立的な生活をおくる要です。

50代~60代こそなりやすい おとなの虫歯 -丈夫な口でいる-

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201510-2

子供から大人まで、多くの人が悩まされる虫歯。実は大人には、特に虫歯になりやすい時期や部位があります。虫歯になりやすい年代には、子供時代を含めて3つのピークがあります。大人の場合、仕事が多忙で歯科医院に行きそびれがちな30代、さらに『二次う蝕』や『根面う蝕』のリスクが高まる50〜60代にピークを迎えます。

虫歯は正しくは「う蝕」といいます。口の中にいるミュータンス菌が食後の口の中で歯垢を作り、そこでできた酸が歯を溶かすことで発生します。大人に多い「二次う蝕」とは、治療済みの歯に詰めたものの周囲に起きる虫歯のことです。治療から長い時間を経て詰め物と歯との間に隙間ができ、歯垢がたまりやすくなることが原因になります。

もう一つの「根面う蝕」は、歯と歯茎との境目にできる虫歯。歯周病や歯の磨き過ぎで歯茎が下がると、エナメル質に覆われていない歯根が露出し、歯根を覆っているセメント質は間もなく取れて、軟らかい象牙質がむき出しになります。この露出部分は弱い酸でも溶けてしまうため、虫歯になりやすいのです。根面う蝕は、その発生のメカニズムから、特に高齢者に多いのが特徴です。若い頃に治療済みの歯がある人や歯茎が下がってきている人は、こうした大人の虫歯ができるリスクが高いといえます。

大人の虫歯は歯のエナメル質が成熟しているので、虫歯になっても進行が遅く、痛みをあまり感じないままじわじわと進みます。二次う蝕の場合には、過去の治療で神経を抜いた歯は痛みを感じないため、気づいたら虫歯にかかり進行していた、というケースが少なくありません。また、根面う蝕は歯根の周りで輪状に進むため、ほかの虫歯に比べて治療の難易度が高くなります。大人の虫歯の遠因として、注意したいのが知覚過敏です。

知覚過敏は、歯茎が下がって象牙質が露出することによって起きます。冷たいものや歯ブラシによる刺激が、露出した象牙質から象牙細管を通って神経に届くことで痛みを感じます。酸に溶けやすい部分が露出していることに加え、知覚過敏でしみるため、ブラッシングもおろそかになりがちです。

知覚過敏は、リン酸カルシウムなどの薬剤を塗布することで治療できます。
虫歯を予防するには、毎日のケアを怠らず、定期的に歯科医のチェックを受けましょう。

噛む力UP 口の手入れ -丈夫な口でいる-

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201509

自分の歯で食べる人・食後の歯磨き習慣をつけましょう

歯が多く残っている人の口腔清掃のポイントは、
口に合った磨き方で1日3回以上の歯磨き
糸ようじや歯間ブラシなどを用いた歯間清掃
舌の清掃、の3つです。

歯磨き回数が1日3回の人は、2回や1回の人に比べて口腔内の総菌数が少ないことが確認されています。これは、口腔内の衛生状態にとどまらず、誤嚥に伴う肺炎などの発症リスクにも影響してきます。

また、歯周病は、歯と歯の間の歯垢が原因です。
これを防ぐには、歯間ブラシなどを使った歯間清掃が必要です。

さらにかかりつけ歯科医による、定期的な歯石除去など、専門的な手入れを受けることをお勧めします。

のみこみ力UP体操「口の老化を防ぐ」が勝ち

会津の歯医者 渡辺ゆうぞう歯科クリニックの「お口の相談室」

201508-1

食べ物がいつまでも口の中に残っている」「就寝中にむせて目が覚めることがある」。これらの問いに「イエス」ならば、のみこむ力が落ちているかもしれません。

のみこみをスムーズに行うためには、のどの動きだけでなく、口やそのまわりの筋肉の機能が重要な役割を果たしています。これらはいずれも、年齢を重ねるにつれて衰えが現れるものばかり。放っておくと、いずれ低下するおそれがあります。

そこで、機能の低下に歯止めをかけ、本来の力を回復させる体操を紹介します。

体操は、いずれも簡単で道具がいらないものばかり。毎日短時間、継続して行うことで、さまざまな口の機能アップ効果が期待できる運動です。「顔面体操」「口開け体操」「ベロ出しゴックン体操」「頭上げ体操」に取り組みましょう。